早大の伊藤樹が令和初のノーヒットノーラン達成!東京六大学野球で歴史的快挙
早稲田大学の伊藤樹投手が東京六大学野球春季リーグ戦で令和初のノーヒットノーランを達成。明大戦で11三振を奪い、歴史的快挙を成し遂げた。

2025年5月19日、東京六大学野球春季リーグ戦第6週第2日で、早稲田大学の伊藤樹投手が明大戦に先発し、11三振を奪う好投でノーヒットノーランを達成しました。これは同リーグでは2016年の加藤拓也(慶大)以来、9年ぶりで、令和初の快挙となりました。
伊藤投手は前回の立大戦では3回8失点と苦戦していましたが、この日は強打の明大打線に対して140キロ後半の直球を軸に粘り強く投げ、スコアボードに「0」を並べました。9回2死からは左翼フェンス際に大飛球を放たれましたが、左翼の寺尾拳聖がフェンスにぶつかりながら好捕し、ノーヒットノーランを守り切りました。
試合は0-0で迎えた9回無死二、三塁の場面で、4番・寺尾が左翼線にサヨナラ打を放ち、伊藤投手のノーヒットノーランを完成させました。伊藤投手は「フォアボールやデッドボールが重なってしまいましたが、いつも通り丁寧に投げることを最優先した結果だと思います」と笑顔で語りました。
早大で無安打無得点を記録したのは、2013年の高梨雄平以来、12年ぶりのことです。明大がノーヒットノーランを喫するのはリーグ史上初めてのこととなりました。小宮山悟監督は、0-0の8回に無死一塁で伊藤投手に打席が回ってきた際、代打を送らず続投を決断しました。
伊藤樹投手は2003年8月24日生まれ、秋田県出身の21歳。仙台育英(宮城)では1年夏、3年春に甲子園出場し、早大では1年春にリーグ戦デビュー。3年夏に大学日本代表に選出され、リーグ通算47試合で14勝3敗、防御率1.72を記録しています。
この試合の活躍により、伊藤投手のプロ野球への注目度がさらに高まっています。ソフトバンクの宮田善久スカウトは「左打者へのチェンジアップが絶品ですね」と評価し、ロッテの榎康弘アマスカウトディレクターも「真っすぐ、フォーク、チェンジアップともにコントロールができ、緩急も駆使できる。ゲームメークができ、勝てる投手です」とコメントしました。