31年ぶりの甲子園を目指す愛知高、元中日・彦野利勝氏が母校の強化に貢献
愛知高が31年ぶりの甲子園出場を目指し、元中日外野手の彦野利勝氏が母校の強化に貢献。プロOBと高校球児の接点増加に期待。


愛知県の高校球界を代表する伝統校・愛知高が、18日の愛知大会3回戦で成章に6―0で勝利を収めた。愛知高は春4度、夏2度の甲子園出場を果たしているが、全国の舞台からは1994年夏を最後に遠ざかっている。今年は31年ぶりの甲子園出場を目指しており、その強化に一役買っているのが同校OBで元中日外野手の彦野利勝氏(60)だ。
彦野氏は昨冬から週1、2度のペースで母校に足を運び、現チームの指導に当たっている。飛田陵佑監督は「彦野さんは高校生の目線に合わせて指導してくださる。だから選手も納得した上で助言を受けられる」とその指導力に感心している。また、チーム運営についても親身にアドバイスをしてくれると感謝している。
12日の東浦との2回戦で高校通算8本目の本塁打を放った服部侑太外野手(3年)は「技術はもちろんですが、打席の中での考え方、どういうボールを待ってどう打つかなども教えてくださるので、頭をスッキリさせられています」と試合での考え方も彦野氏から学んでいることを明かした。
彦野氏の復帰は、高校時代の1学年先輩で同校のテクニカルアドバイザーを務める法元智至氏(元東邦ガス監督)が声をかけたことで実現した。法元氏の父・英明氏も中日OBで、スカウトとしても球団に長く貢献してきた。
彦野氏の復帰を後押ししたように、竜人脈のつながりは強く、東海地区の社会人、大学球界に幅広く指導者を送り込んでいる。しかし、高校野球となるとほとんどいなくなるのが現状だ。
現在、多くのプロ野球OBがわざわざ研修を受け、高校で指導するための「資格回復」を果たしている。プロアマ規定という足かせに屈することなく、プロOBと高校球児の接点が増えることを願う。(大阪駐在・生駒泰大)