北海学園大学の159キロ右腕・工藤泰己:未完の大器から未来のスターへ

北海学園大学の工藤泰己が最速159キロを記録し、NPBやメジャーのスカウトから注目を集めるまでの成長ストーリー。

工藤泰己の成長ストーリー

北海学園大学の右腕投手・工藤泰己は、6月の全日本大学野球選手権で67年ぶりに大会2勝を挙げ、46年ぶりに8強進出を果たした。1、2回戦に先発し、その原動力となったのが最速159キロ右腕・工藤泰己(4年、北海)だ。大学ではまだ盤石の成績を収めたわけではなく、「未完の大器」という言葉が当てはまるかもしれない。それでも、そのポテンシャルの高さにNPBのみならず、メジャーのスカウトも熱視線を送っている。

最速159キロの記録

今年3月、工藤は関東遠征した際、読売ジャイアンツ3軍との交流試合で最速158キロを計測した。4月の社会人・北海道ガスとのオープン戦では159キロをたたき出し、その名前が野球ファンの間で知られるようになった。身長175cmと、投手としては小柄な部類に入る。

160キロ超えへの意欲

「自分はNPBの平均身長と比べたら低い方。この身長で160キロを投げる投手は今、平良海馬投手(埼玉西武ライオンズ)ぐらいなので、そこに関しては価値を感じますし、意味があるかなと思います」。工藤はいま、160キロ超えに意欲を見せている。

チームの好調と個人の活躍

春はチームも好調で、3季ぶりにリーグ優勝を果たし、6月の全日本大学選手権へと駒を進めた。上武大学(関甲新学生野球連盟)との1回戦に先発した工藤は一回、神宮球場のスコアボードに球速「155」の数字を表示させ、球場を沸かせた。佛教大学(京滋大学野球連盟)との2回戦にも先発し、最速156キロをマーク。ネット裏に陣取ったスカウト陣に大きくアピールした。

島崎圭介監督の評価

北海高校3年時、工藤は春夏連続で甲子園の土を踏んだが、聖地での登板はなかった。プロ入りした左腕の木村大成(福岡ソフトバンクホークス)、捕手の大津綾也(読売ジャイアンツ)、強打好守の遊撃手・宮下朝陽(東洋大学4年)らを擁するレベルの高いチームだった。工藤は3年時、最速145キロを投げていたが、背番号は春夏ともに2桁だった。

「自分はもともと捕手で、それから外野手、投手とポジションを変えました。正直言うと、捕手としてはキャッチングもブロッキングも下手で、高1の途中から外野にコンバートしました。ところが自分、フライを捕るのが苦手で……。消去法で投手になりました」

本人は高校時代をそう振り返って苦笑するが、高いポテンシャルを見抜いていたのが、北海学園大学を率いる島崎圭介監督だ。

「泰己が北海高校に入ってすぐ、高校のグラウンドで見ていて、小柄だけど体の強い選手だなと思っていました。高校3年生のときには投手をやっていて、プロ入りした木村大成よりスピードはありました。速いボールを投げるのは投手としての絶対条件ですから、うちに来てほしいなと思いました。でも、ここまで速くなるとは予想していなかった。本人の努力のたまものです」

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