甲子園の新時代:女子部員がボールパーソンとして歴史を刻む
佐賀北の家永そらマネジャーが甲子園史上初の女性ボールパーソンとして活躍。その熱意と努力が新たな歴史を創りました。

甲子園の新たな歴史
第107回全国高校野球選手権において、佐賀北の家永そらマネジャーが甲子園史上初の女性ボールパーソンとして活躍しました。家永さんは、青藍泰斗(栃木)との初戦で、女子部員として大会史上初めてボールパーソンを務めました。甲子園では安全上の理由から女性がグラウンドに立つことは禁止されてきましたが、2022年から女子部員がノックの補助やボールパーソンを務めることが可能になり、2023年からはノッカー役も解禁されました。
急きょの役割変更
この日は初戦で記録員を務めたもう1人の3年生マネジャー渡辺歩果さんがボールパーソンを務める予定でしたが、3日前にコロナウイルスに感染。そのため、急きょ家永さんが試合前ノックで補助を務めた後、ユニホーム姿のままで記録員としてスコアをつけました。
試合の行方
試合は4回まで互いに無得点でしたが、5回に一挙3失点を許すとその後も追加点を与え6失点。佐賀北打線も最後まで諦めず、計11安打を放ったが1点のみに終わり、最後の夏が幕を閉じました。
マネジャーとしての熱意
家永さんは中学時代はテニス部で、野球は未経験でしたが、迷いはありませんでした。幼い頃から親に「生まれた年に佐賀北が優勝してね……」と聞かされて育ったからか、いつしか同校の野球部に入ることは心に決まっていました。無事入学したものの、ちょうど1人だけしかマネジャーを取らないまさかの年。希望者も2人いましたが、当然諦められるはずもなく、面接で熱意を伝え、特例で入部させてもらいました。
将来の夢
将来の夢は小学校の先生。「誰かのためになることを学んで、サポートは裏方だけど一番大変ことでもある。だからこそ子どもたちに学ぶ楽しさを教えたいし、支えていきたいんです」。彼女の目にもう涙はありません。人生はまだ始まったばかりです。