RIZIN GP総選挙:ダゲスタンの戦士ガジャマトフが語る人生を変える覚悟
ダゲスタン出身のガジャマトフがRIZIN GP総選挙で人生を変える覚悟を語り、扇久保との対戦が決定。

ガジャマトフの来日と決意
格闘技イベント「RIZIN」は19日、都内でフライ級グランプリ総選挙を開催し、準決勝進出者4人と対戦カードを発表しました。投票の結果、1回戦の勝者5人の中から伊藤裕樹(28=ネックスイチムエ)の脱落が決定しました。外国人ファイターとして唯一、1回戦で勝利したアリベク・ガジャマトフ(24=ダゲスタン共和国)は扇久保博正(38=THE BLACKBELT JAPAN)との対戦が確定しました。直前には約5分間の演説に臨み、自らの信念を懸命に訴えかけました。
ガジャマトフの背景
1回戦で征矢貴に鮮烈なKO勝利をおさめたガジャマトフ。出身はウクライナとの戦時下にあるロシア連邦の構成国家で、ロシアの中でも最も貧しい地域の一つとして知られるダゲスタン共和国です。RIZIN経験はいまだ2試合と浅く、知名度の低さから落選を不安視する声もファンからあがっていました。
総選挙での演説
今回の総選挙では直前に、選手それぞれが直接投票を訴えかける演説を行いました。通訳を含めるため他の選手より2分多い5分間の演説に臨んだガジャマトフは、緊張した面持ちで壇上に立つと、自らの母国について語り初めました。「私の生まれた村には、人生の選択肢やチャンスがほとんどありません。そんな場所で生まれ育った私に、RIZINが手を差し伸べてくれたことは、故郷の仲間全員にとっての希望となっています」。
来日の苦労と覚悟
この投票のためだけにたった一人で来日してきました。「行き来するだけで70時間以上かかるし、時差に慣れて本格的なトレーニングを再開するまでには数日はかかってしまう」と語り、「前回の減量は非常に過酷で、今回の減量も同じような厳しさが待っていると覚悟している。私は10日間、トレーニングと身体づくりの期間を失うことになる」と代償の大きさを口にしました。
人生を変えるチャンス
「それでも私はここにいる。私にはグランプリに出場する明確な理由がある。自分の人生を変えるということだ。何も持たずに育った少年にとってこれは人生を変える大きなチャンスなんだ。だからこそ私はこのグランプリで必ず勝ちたい」
当選の喜び
開票作業中は周りをキョロキョロしながら落ち着かない様子でしたが、当選が決まると満面の笑みを浮かべました。対戦相手は優勝候補のベテラン扇久保。異国の地で行われた異例の投票システムに勇気を持って立ち向かい、自らの覚悟を語りかけることで人生を変える挑戦権を得ました。