競馬の科学:ローシャムパークの喉手術とタイフォワード術の詳細解説
ローシャムパークが受けた喉手術とタイフォワード術について、獣医師記者が詳しく解説。競馬における科学の重要性を浮き彫りにします。

ローシャムパークの喉手術
ローシャムパークが喉の手術を受けることになりました。競走馬の喉の手術は、主に喉頭片まひに対する喉頭形成術を指しますが、今回はDDSP(軟口蓋背方変位)に対するタイフォワード術が行われました。
DDSPとは
DDSPは、軟口蓋が背側にずれる病態です。軟口蓋は口腔内の奥にある軟らかい部分で、この部分がずれることで喉頭蓋の動きが妨げられます。これにより、運動時に空気の流量が十分に確保できなくなり、馬は苦しくなります。
タイフォワード術の詳細
タイフォワード術は、DDSPの根本的な原因に介入する手術です。縫合によって甲状舌骨筋の働きと同じテンションを再現し、変位した軟口蓋の位置を戻します。この手術は複数の論文で良好な予後が示唆されており、期待が持てます。
ローシャムパークのケース
ローシャムパークは、基礎能力が高いことが期待される馬であり、症状の軽減が見られないため、積極的な治療が選択されました。手術後の復帰が待たれます。
競馬と科学
競馬は単なるスポーツではなく、科学的なアプローチが重要な分野です。獣医師の知識と技術が、馬の健康と競技能力を支えています。