羽生結弦の北京五輪への挑戦と夢の軌跡:プロ転向3周年特別インタビュー
羽生結弦がプロ転向3周年を迎え、北京五輪での挑戦と夢への研鑽について語る特別インタビュー。

羽生結弦の北京五輪への挑戦
プロフィギュアスケーターの羽生結弦(30)が、2025年7月19日にプロ転向から3年を迎える。3周年を記念した特別インタビュー第4回のメインテーマは、2022年2月の北京五輪。日本男子初の金メダルに輝いた2014年ソチ、66年ぶり2連覇を達成した2018年平昌を経て迎えた、3度目の舞台について聞いた。
4Aジャンプへの挑戦
「北京まで、4A(4回転半ジャンプ)の練習をしたことは良かったとは思います。あそこに向けて、それこそ結果を求めていたわけなので。結果っていう明確な目標がなかったら、やっぱりあそこまで突き詰めて練習することはできなかっただろうし。あそこでもしかして成功している並行世界がそれこそ存在するかもしれないけど、今現在成功しなかったという世界に生きているうえでは、あの時成功しなかったから、余計、今もまだ体についてめちゃくちゃ研究しているし、今もまだ4回転半に向けて、あがこうとずっといろんなトレーニングを積めているわけなので。あそこで学べたことと、あそこの延長線上で今も戦えているっていうことは、確かなことだなと思っています」
夢への研鑽
「これは最近すごい哲学をしていて、なんとなく自分の中で今芯にあるものの一つなんですけど、夢に向かって研さんし続けることみたいなものが、自分の命の証しだと思っていて。だから、それを手放してしまうということは、自分の命がもうなくなっちゃうぐらいの勢いで、ずっと考えてきたと思うんですよね。だから、4A跳びますって言っていたから、ずっと辞められなかったと。で、正直、北京まできちゃったな、どうしようってなっていたという感じです」
後輩へのエール
羽生さんが、来年2月のミラノ・コルティナ五輪を目指す同郷の後輩にエールを送った。仙台市出身の男子・佐藤駿(21)=エームサービス・明大=、女子・千葉百音(20)=木下グループ=は、アイスリンク仙台で一緒に練習をした間柄だ。
「小さい頃から見ているので。すごい頑張り屋さんなんですよ、彼らは。自主練をたくさんしていました。僕はリンクが一度経営破綻する前から練習していたので、小さい頃に先生にずっとレッスンを見てもらったり、練習時間もたくさんあったんです。貸し切り時間もたくさんあったんですけど、あの子たちは小さい頃に貸し切りがたくさんあるという世代ではなかったんですよね。そんな中で、小さい頃からずっと頑張っていました」
現在佐藤は埼玉、千葉は京都を拠点に、初の五輪切符獲得へ努力を重ねている。
「今は違う環境にいますけど、あの頃に頑張っていたことは絶対生きると思うから。報われてほしいなと思います」と優しい表情で語った。