JリーグOB太田宏介が語るフィテッセ解散危機とサッカー界の未来
元日本代表DF太田宏介が、古巣フィテッセの解散危機について語り、サッカー界の未来に警鐘を鳴らす。

フィテッセの解散危機
オランダ1部リーグのフィテッセがプロライセンスを失い、クラブ存続が不透明な状況に陥っています。多額の負債を抱え、財務状況が悪化していたフィテッセは、23-24シーズンに勝ち点「18」を剥奪され、35年ぶりに2部へ降格。24-25シーズンは勝ち点「39」が剥奪され、2部で最下位に終わりました。
KNVB(オランダサッカー協会)の弁護士は法廷で「フィテッセには何度もチャンスが与えられたが、それを生かさず、改善も見られなかった」と主張し、プロライセンスが剥奪されるに至りました。
太田宏介のコメント
2シーズンにわたりフィテッセでプレーした元日本代表DF太田宏介氏は、「僕が退団したあと、特にここ何年かは財政厳しいよみたいな話は聞いてて、さらに以前オーナーがロシア人で、ロシアのウクライナ侵攻の影響も受けてここ数年は自転車操業で運営していと思うんですけど、所属してたクラブがなくなるの悲しい」と、さまざまな要因があったのではないかと指摘しました。
太田氏はまた、「オランダの中でももの凄く環境の整ったチームで、アカデミーからトップまで同じ環境で同じ施設で練習できて、グラウンドも10面ぐらいある。全部整ってものすごかったのに、たった数年でこんなことになるんだと。歴史の長いリーグ、クラブでもそういうことが起きちゃうんだなと驚きです」と、心境を明かしました。
フィテッセの未来
フィテッセは今後解散するのか、アマチュアリーグから続けるのか、さまざまな道を検討しているとされます。名門クラブの今後に注目が集まります。
太田宏介のプロフィール
太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っています。