大の里、ストレート給金で単独トップに

大相撲夏場所・８日目（１８日、両国国技館）で、大関大の里は平戸海を押し出し、自身２度目のストレート給金を決めた。平幕の伯桜鵬が初黒星を喫したため、賜杯争いで単独トップに立った。

横綱豊昇龍、尊富士を小手投げで退ける

横綱豊昇龍は尊富士の変化に動じず、小手投げで退けて６勝目を挙げた。大関琴桜は玉鷲を寄り切り５勝目を挙げた。無敗の大の里を、１敗で小結若隆景、伯桜鵬、安青錦が追う。

八角理事長、九重審判長の評価

八角理事長（元横綱北勝海）は「勢いに乗ってきた。馬力で圧倒している。小細工が通用しない。相手はとりあえず当たるしかない」と評価。九重審判長（元大関千代大海）は「止められる力士はいるのか、という感じになってきた」と舌を巻いた。

父・知幸さん、石川から応援

初日に続き、故郷の石川県津幡町から父親の中村知幸さん（４９）が観戦に訪れた。大の里の好調ぶりに「すごく落ち着いている。このまま行ってほしい」と目を細めた。

父子で阪神ファン

知幸さんはプロ野球・阪神タイガースのファン。幼い頃に「周りは巨人ファンばかり。一緒が嫌だった」と語り、特に八木裕（現日本ハム打撃コーチ）を応援していた。大の里は小学生時、桧山進次郎（現解説者）を応援。父子とも“代打の神様”のファンだった。

横綱への期待

親子で甲子園を訪れた経験はない。知幸さんは「代打として一発で決めるように、横綱を一発で決めてほしい。いつか甲子園で始球式をやってくれたらうれしいですね」と語った。その言葉に違和感がないほど圧倒的なストレート給金だ。

大の里の決意

大の里は「目の前の一番にしっかり集中したい。周りを気にしない。まだ場所は終わっていない」と気を引き締めた。師匠の二所ノ関親方（元横綱稀勢の里）以来の和製横綱誕生ムードは高まるばかりだ。