大相撲の危機:白鵬退職がもたらす威厳の消失
元横綱・白鵬の退職が大相撲協会に与える影響と、国技の威厳が失われる危機について解説。

元横綱・白鵬の退職とその影響
元横綱・白鵬の宮城野親方が相撲協会を退職したことは、大相撲界に大きな衝撃を与えました。現役時代の数々の問題行動により、協会上層部の「白鵬アレルギー」は限界に達していました。引退の際には一代年寄も見送られ、年寄名跡取得の条件として逸脱した言動を行わないなどの誓約を求められました。
協会との対立
宮城野親方は現役時代と変わらない言動を繰り返し、八角理事長らの怒りを買っていました。土俵上では王様でも、マゲを切って組織に組み込まれれば一兵卒に過ぎません。そのわきまえができなかったのは残念でなりません。
協会の責任
もちろん排除することばかりに躍起となり、親方としての教育、指導を怠った協会上層部にも責任はあります。一連の宮城野部屋処遇に関しても、協会側は話し合いなどで説得したと説明しましたが、「1年で解除されると思っていた」と語る宮城野親方との意見の相違があったのも事実です。
威厳の消失
相次ぐ横綱離職の異常事態で、現役の2人を除けば協会在職はわずか7人。興行的には大きなマイナス要素です。今後は協会の要職でもある理事長や、土俵下で目を光らせる審判部長を大関以下が務めるケースが増えることが予想されます。国技の世界から「威厳」が消える危機が迫っています。
(相撲担当キャップ・黒田 健司郎)