森田佳寿コーチが導くBL東京の圧倒的攻撃力「KBA戦術」でリーグワン2連覇達成
森田佳寿コーチがBL東京に根付かせた「KBA戦術」で、リーグワン2連覇を達成。圧倒的攻撃力と緻密な戦略が勝利の鍵となった。

リーグワン2連覇を達成したBL東京
2025年6月1日、東京・国立競技場で行われたリーグワン・プレーオフ決勝で、BL東京は東京ベイを18-13で破り、リーグワン初の2連覇を達成しました。今シーズン、BL東京はレギュラーシーズンで741得点、110トライを挙げ、攻撃力において圧倒的な存在感を示しました。
森田佳寿コーチの「KBA戦術」
攻撃をデザインする森田佳寿コーチ(36)がチームに掲げたのは「KBA(キープ・ザ・ボール・アライブ)」です。この戦術は、ボールがつながり続けるラグビーを追求するもので、人とボールが動き続けることで相手守備を崩すことを目指しています。
緻密な準備と信念
シーズン前から、森田コーチは緻密な準備を重ねてきました。相手守備網に「少しのひずみ」を生じさせるため、ボール1個分のスペースを探す意識づけを行い、ドリルやミニゲームを通じて体勢を崩されながらも投げる技術やパスが乱れても捕球できるスキルを磨いてきました。
オフロードパスの重要性
今シーズン、BL東京はオフロードパスを多用し、相手守備を崩す大きなチャンスを生み出しました。特にSOモウンガら3人がリーグの上位を占め、オフロードパスの成功が勝利に大きく貢献しました。
決勝戦でのKBA戦術の実践
決勝戦の後半12分、敵陣左サイドで3度、右で2度オフロードをつないでトライに迫る場面がありました。SOモウンガへのパスが前に放られたためトライはキャンセルとなりましたが、森田コーチは「あれが僕たちが表現したいラグビー。僕たちが勝っていく道」と語りました。
進化を続けるBL東京
森田コーチは今シーズンの成績に満足することなく、常により良い戦術とスキルを探求しています。「今シーズンで数字はいいものが出たけど、毎週、毎日レビューをしながらよりよく出来ると思っているので」と語り、チームの進化を続けています。
森田佳寿コーチの経歴
森田佳寿コーチは1989年5月15日、奈良県出身。御所工(現御所実)から帝京大に進み、4年時に大学選手権3連覇を経験。ポジションはSOでU20日本代表としても活躍しました。2012年にトップリーグ時代の東芝に入団し、2014年から主将を務めました。2019年に現役引退後、チームスタッフとなり、2022-23シーズンからコーチングコーディネーターに就任しました。