地域と共に歩む彦根工野球部 ごみ拾いが紡ぐ絆と甲子園への誓い
彦根工業高校野球部が地域清掃活動を通じて築くコミュニティとの絆。ごみ拾いがチームの結束力を高め、甲子園を目指す若者たちの真剣な取り組みを追う。

グラウンド外で培うチームスピリット
朝7時の清掃ルーティン
毎週水曜日早朝、彦根工ナインは火ばしとごみ袋を手に学校周辺を清掃。JR河瀬駅までの往復30分の道程で、空き缶やたばこの吸い殻を丁寧に回収する。3年生主将・小林健介は「地域の応援を背負って立つ責任感が自然と芽生える」と語る。
地域が育む熱いエール
商店街からの声援
肉屋の店主・中村孝一さん(68)は「選手たちの姿を見て、わしらもグラウンド整備を手伝うようになった」と明かす。地元スーパーでは部員用の栄養補助食品が特別割引されるなど、有形無形の支援が広がっている。
逆境を力に変える戦術
少数精鋭の戦い方
部員15人という厳しい環境を逆手に取った「超速攻野球」を確立。松宮凛空投手は「1球にかける思いが違う。仲間の信頼がプレッシャーを推進力に変える」と熱い視線を投げる。
7月6日への挑戦
新たな伝統の始まり
滋賀大会初戦を控え、小林主将は清掃活動で得た地域の声を原動力に「9人で支え合う野球で、1試合でも多く恩返ししたい」と決意を新たにする。練習後には近所の子供たちとゴミ分別教室を開催するなど、新たな交流が生まれている。
地域と共に成長する彦根工ナインの日常(撮影:仲程雄平)