F1イギリスGP:ニコ・ヒュルケンベルグの初表彰台への執念と戦略的勝利

2025年F1イギリスGPで、ニコ・ヒュルケンベルグが初の表彰台を獲得。19番グリッドからの逆転勝利と戦略的なピットインが鍵となった。

ニコ・ヒュルケンベルグの大逆転

2025年F1イギリスGPは、ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)にとって記念すべきレースとなった。19番グリッドからのスタートでありながら、彼は見事に3位表彰台を手にした。これは彼のF1キャリア239戦目での初表彰台であり、大きな注目を集めた。

レースのハイライト

レース前半から中盤にかけて、シルバーストン・サーキットの路面は濡れていた。ヒュルケンベルグはアストンマーティンのランス・ストロールを抜き、3番手を走行していた。しかし、母国イギリスで大声援を受けるルイス・ハミルトン(フェラーリ)が後方から接近し、プレッシャーをかけてきた。

40周目、ハミルトンはヒュルケンベルグの2.4秒後方に迫り、さらに接近しつつあった。路面は急速に乾いていき、41周目にハミルトンは真っ先にピットインし、ドライタイヤに交換した。このタイミングで、他にも複数のマシンがピットインし、ドライタイヤに交換した。

ヒュルケンベルグがドライタイヤに交換したのはその翌周。コースに復帰した時、彼とハミルトンの差は11秒以上に広がっていた。

集中力が生んだ勝利

F1イギリスGPの決勝レース中のギャップグラフを見ると、ヒュルケンベルグとハミルトンの差が拡大しているのが分かる。この差がついたのは、ピットアウトした周のラップタイムにあった。

ハミルトンがピットアウトした周回のタイムは2分9秒772(42周目)であるのに対し、ヒュルケンベルグは2分1秒259(43周目)であった。つまりヒュルケンベルグはここで8.5秒も稼いだのだ。

戦略的勝利

ヒュルケンベルグはレース後、スリックタイヤに交換するピットインを遅らせたことが決定的な決め手となったと語った。ハミルトンがドライタイヤを履いた周回はまだ路面がわずかながら濡れすぎていたが、ヒュルケンベルグがピットインした42周目は1周前よりも路面が乾いていて、ドライに適したコンディションになっていた。

未来への期待

何戦走っても表彰台に届かなかったヒュルケンベルグ。しかし、ついにその好結果を手にした。これで憑き物が落ち、次々と表彰台を獲得する……そんな将来が待っているのだろうか?キック・ザウバーの戦闘力向上も著しい。

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