F1 2025年シーズン前半戦総括:マクラーレンの圧倒的強さとレッドブルの苦境
2025年F1シーズン前半戦の総括。マクラーレンの圧倒的強さとレッドブルの苦境を元ホンダ技術者・浅木泰昭氏が分析。

マクラーレンの圧倒的強さ
2025年シーズンの前半戦は、マクラーレンが圧倒的な速さを披露し、ドライバーとコンストラクターの両チャンピオンシップで独走態勢を築いています。14戦中11勝(ピアストリ6勝、ノリス5勝)という成績は、マクラーレンの技術力と戦略の優位性を如実に物語っています。
レッドブルの苦境
一方、ドライバーズ選手権で5連覇を狙うマックス・フェルスタッペンと角田裕毅を擁するレッドブルは苦戦が続いています。昨シーズン22戦21勝を挙げたレッドブルですが、2025年シーズンでは開発スピードが予想以上に落ちており、チームの低迷が顕著です。
技術者の流出
レッドブルの低迷の一因として、技術者の流出が挙げられます。デザイナーのエイドリアン・ニューウェイがアストンマーティンに、エンジニアのロブ・マーシャルがマクラーレンに移籍するなど、人材流出が続いています。特にロブ・マーシャルのチーム離脱は、レッドブルの凋落の始まりとされています。
組織運営の課題
元ホンダ技術者の浅木泰昭氏は、レッドブルの組織運営に課題があると指摘しています。特に、創業者ディートリヒ・マテシッツの死後、モータースポーツアドバイザーのヘルムート・マルコと前代表クリスチャン・ホーナーの間で権力闘争が始まり、多くの技術者がチームを離れたことが組織の弱体化を招いたと分析しています。
後半戦への期待
オランダGPからスタートする後半戦では、マクラーレンの勢いを止めるチームが出てくるのか、レッドブルが苦境を脱出できるのかが注目されます。浅木氏は、レッドブルが持ち直す可能性はあるものの、組織の立て直しには時間がかかると予測しています。